2015年 01月 23日
写真を趣味にしていると、カメラやレンズ関係の本や雑誌にもついつい手が出てしまう デジカメの世界が、この先どの様な展開を見せるのかについても興味が無い訳ではないが、むしろフィルム時代のオールドレンズの個性に強く惹かれる 今のレンズはどのメーカーのものも良く出来ていて、何かもう行き着くところに近づいているような感じだ 諸収差も補正され明るく鮮明に写って、光学的な瑕疵は極めて小さくなっている その結果、どのレンズで撮っても「平均的に良く写る」 これが面白くない! そんなへそ曲がりの小父さんが、ウムウムと面白がるのがこの本である オールドレンズのカビや疵も、撮りように依っては個性に繋がる、周辺光量落ちもフレアも滲みも一つの表現というようなことは、その通りだと思う レンズのスペックを気にするより、どんな画が出て来るのかが本来の問題ではないか もちろん、小父さんのようなヘボが撮れば、ただの失敗作になるのだが、この本の著者の上田晃司さんの作例をみれば、ナルホドと思わざるを得ない 普通に綺麗に撮るためのレンズ解説本ではないところが気に入った! 写真を等倍にして見てココが甘い! というのも一つの見方だが、あまく滲んだ写真や、スポットライトを当てたような写真を、全画面見渡して良い! というのもまた一つの見識である スーラの絵を拡大してみればタダの点だし、ドガの踊り子は周辺光量落ち、ターナーのノラム城、日の出はピンボケだ! 26本の安価高価混じった、殆ど脈絡の無いレンズが取り上げられているが、恐ろしいことにOrthostigmat 35mm F4.5やGorlitz Domiplan 50mm F2.8など幾つかを除けば、小父さんのレンズ庫で埃を被り、カビの発生を待つものばかりだった(埃やカビが良いというのでは無いけど) 脈絡が無いように見えて、ヘソの曲がり方が同じなら、同じようなものに行き着くのかと、感慨深いものがある 困ったことだ (-"-;A ... PS:このムック本の中身はCamera Fanに連載されているので、興味がある方はそちらをご覧になると良いでしょう http://camerafan.jp/cc.php?i=3
by Nonbiriojisan
| 2015-01-23 07:00
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