2014年 07月 18日
暫く前に購入し、積んどく状態にしていた「文明崩壊」(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫)を読了した 文明の興隆と崩壊について書かれたものは多いが、ダイアモンドは、文明崩壊を招く5つの要因として、環境破壊、気候変動、近隣社会からの援助、その敵対的干渉、および社会がもつ問題対処能力を上げ、これらを人知が克服出来るかどうかが、永続的な繁栄か崩壊かを分けるキーポイントであると語っている 日本に関する記述の幾つかにやや違和感を覚えるものの、全体としては数多くの例示によって長編であるが読みやすい 特に、貪欲な経済活動が自然破壊を招き、結果として経済・社会そのものが成り立たなくなった例や、同じ自然環境の下でも社会の営み方法によって、繁栄の度合いに差が付くことなど、昨今の地球環境問題と照らし合わせると非常に示唆に富んでいる 現在も進行中の砂漠化や乾燥化を、どう食い止めるのか 人知が試されている訳で、ダイヤモンドも幾つかの提案をしているのだが、この点に関し小父さんは悲観的な見方をせざるを得ない 分っちゃいるけど止められない・・・人間なんてそんな程度のものなのか? 蛇足:表紙の絵は、オランダ ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館所蔵のバベルの塔(ブリューゲル)で、ウィーン美術史美術館所蔵のバベルの塔(同)の約1/4の大きさであることから「小バベル」ともいわれる
by Nonbiriojisan
| 2014-07-18 07:00
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